昨年、総務省が4K放送に関するロードマップを掲示しました。
2014年(ブラジル・ワールドカップ開催年) | ⇒可能な限り早期に、関心を持つ視聴者が4Kを体験できる環境を整備 |
2016年(リオデジャネイロ・オリンピック開催年) | ⇒可能な限り早期に、関心を持つ視聴者が8Kを体験できる環境を整備 |
2020年(オリンピック開催年) | ⇒希望する視聴者が、テレビによって、4K/8Kの放送を視聴可能な環境を実現 |
2020年までに誰でも4K/8K放送が見れるようになる――!
このロードマップが策定された時点では、個人的には「3Dテレビが失速したので次は4Kテレビか」と冷ややかな視線を送ってましたが、昨年9月、2020年東京オリンピック正式決定。
2020年のゴールが「TOKYO」と明確になったことで、一気に4K関連機材も充実し、4K放送の実現に向け動き出したと思います。
私もTOKYOということで、一気に当事者意識が芽生えました。w
そもそも、4Kって?8K??
日本における4K/8K放送規格は以下のとおりとなっております。
規格名称 | 横縦サイズ | フレームレート | 画素数 | 圧縮形式 |
---|---|---|---|---|
HD | 1440x1080 | 60i | 約156万画素 | MPEG2/AAC |
4K 4K UHDTV |
3840x2160 | 60p | 約829万画素 | HEVC/AAC |
8KウルトラHD | 7680x4320 | 60p | 約3317万画素 | HEVC/AAC |
参考までに現在の地デジの規格も載せて比較できるようにしました。
ちょっと前まで地デジ見て「すげーーー毛穴まで見える!!」なんてスポーツ新聞的な視線で驚いてたのが、4Kになると地デジ比約5倍、8Kになると地デジ比約21倍!
実際、昨年9月にNHKスタジオパークへ『あまちゃん展』を見に行った際、エントランスに8Kテレビが壁一面に埋め込まれた展示を見ましたが、あまりにも生々しさに「まるでその場にいるようだ...」とベタな言葉をつぶやかずにいられませんでした。
7680x4320の高解像度なんて、スチルでもハイエンド一眼レフくらいしかまだ撮れませんよね。
そんな生々しい映像が、6年後の2020年には、誰でもディスプレイさえあれば視聴可能になります。
東京五輪決定後の昨秋以降、デファクトスタンダードになりそうな4Kビデオカメラが各社より発売されました。
その中から、3つのカメラをピックアップ!
先月開催されたカメラと写真の総合展示会『CP+』にて実際に手にとった感想や写真を交えつつ。
出ました、番組制作のデファクトスタンダードになりそうな4Kビデオカメラ!!
NX5JやZ5J、PD150系統のハンドヘルド型が昨年11月に発売。
業務用規格のPXW-Z100、民生用規格のFDR-AX1と分かれてますが、どちらも4K放送規格の4K60pを撮影可能!
実際にソニーショールームで実機を触りましたが、NX5J比でちょっと暗い画ですがNX5Jと同じ操作感で扱い易いです。
ただ、撮影記録時間は64GBでPXW-Z100が10分、FDR-AX1で50分と少なし!
メモリーカードが1TB以上にならないと現実的ではないのかもしれません。
2020年までの7年間は、記録メディアの大容量化が課題かもしれません。
下記SONY公式サンプル映像です。
(2160pを選択して試聴を推奨!)
製品情報:PXW-Z100
来た!! 正真正銘のハンディカム!
記録可能規格は4K30pとフレームレートが60pの半分になってしまいますが、それを忘れさせてくれる画質の良さは驚愕! 1型CMOSセンサーによる絵作りは上位機種の上記FDR-AX1を超えてます、はっきりいって。w
下克上ハンディカム!
百聞は一見に如かず、下記SONY公式サンプル映像をご覧頂ければ。 (2160pを選択して試聴を推奨!)
製品情報:FDR-AX1
こちらはどちらかと言うと、ドラマや映画などの作り物系に使われそうなカメラです。
フレームレートが30pまでとなってますが、価格は¥327,800でスーパー35mmセンサー、ProRes422(HQ)およびCinema DNG RAW(対応予定)記録で12ストップのダイナミックレンジ。
こちらはSSDへ汎用規格で記録するタイプ。
元々IT機器メーカーなだけあって、PC/Macでの後処理作業への移行もスムーズな点は素晴らしいです。
製品情報:Blackmagic Production Camera 4K
文章だけでは私もよく理解できないし、机上の空論ということで、試しに4K映像を撮ってみました!
えっ、MONSTER DIVEに4Kカメラって有るの??
実はありました。『GoPro3 BlackEdition』の出番です!!
4k15pとフレームレートが低いのですが、とりあえず4Kが撮れます。w
こちらがテスト映像。
早朝の西麻布を撮ってみました。
Premiere Pro CS6のフッテージ変換にて15p→60pに変換し、4K放送規格に合わせた副作用で、早回しになっています。
ただ、編集してみてわかったのが、Premiere Pro CS6のH.264書き出しは4K60pに対応しておらず、30pまでということが判明!
なのでYouTubeにアップしているのは4K30pとなっております。
実際に4K60p出力をやるとなると、別のコーデックを利用するか、最新版のPremiere Pro CCが必要になってくるのかもしれません。
このあたりはまた機会を見つけて検証してみたいと思います!
いよいよ4Kが動き出しました。2014年は4K元年と言われています。
現時点では記録ストレージの大容量化や編集PCのスペック向上が課題かなと思いますが、よく考えれば7年前も同様の課題でしたよね......HDV編集はなんとか、AVCHDネイティブ編集はまだまだ、って状況でしたし。きっと6年後はテクノロジーも進化しているハズ。
引き続きこの話題を追い続けたいと思います!