どうも、アラフォーのプロデューサー浅野です。
今回は、ちょっと真面目にウェブアクセシビリティについて書いてみたいと思います。
最近、サイトリニューアルを検討しているクライアントさんのところに行くと、割と高い確率でウェブアクセシビリティ対応したいんだけどとご相談いただきます。
そこで、ウェブアクセシビリティ対応依頼前に知っておきたいことをまとめてみました。
なんとなく、障がいのある方が使いやすいよう配慮したサイトの作りと認識されている方が多いかと思います。
特に視覚に障がいがある方に向けて使いやすく構築されたサイトと思われがちですよね。
(恥ずかしながら、自分も以前はそう思っていました。。。)
確かに間違いではないのですが、実際にはバリアフリーやユニバーサルデザインに同じような考え方で、年齢や身体的条件を問わず、誰でもウェブで提供されている情報にアクセスして利用できることを指しています。
日本国内において、ウェブアクセシビリティに対応しているというのは、JIS規格で定められたJIS X 8341-3:2016に準拠しているということになります。
また、2016年の改正後、JIS規格と国際規格(ISO/IEC 40500:2012)は、どちらもW3Cのガイドライン(WCAG2.0)と同じで内容になり世界共通の仕様になっています。
ちなみに豆知識ですが8341は「やさしい」からつけられているらしいですよ。w
障がいを理由とする差別の解消の推進に関する法律というものが平成28年4月1日に施行され、国の行政機関や地方公共団体は「障がいのある方に対し合理的配慮」を行うことが法的に義務付けられました。
一方、民間事業に関しては「障がいのある方に対し合理的配慮」に務めなければならないと記述されていますので、努力目標という感じですが、最近では大手企業でも対応しているサイトを多く見られます。
また、海外ではウェブアクセシビリティ確保の義務化が法律で定められている国もありますので、海外に向けたサービスや多言語サイトを運用している場合には対応したほうが良いかもしれませんね。
ひと口にJIS X 8341-3:2016といっても実はその品質基準を表す等級が存在していて、その基準を満たす内容から
の三段階になっていますので、どの等級を目標にするのかを決めます。
※一番基準の厳しいレベルAAAですが、実はサイト全体を対象にすると、すべてを満たすことのできないものもあるため、サイト全体目標を「準拠」と設定することは総務省のガイドラインでは推奨されていません。
次に該当サイトのどの部分までを対応範囲にするか決定します。
というのも同一ドメイン内でLPやスペシャルサイトなど、ウェブアクセシビリティ対応が難しいページに関しては対象範囲外として指定することが可能です。
下記は一例になりますが、通常のサイト制作と違う点をいくつか上げてみました。
色の使用に関する達成基準が含まれているためです。
これは背景色とリンクカラーのでありがちですが、色を識別しにくい方のために背景色とリンクテキストのコントラスト差が基準を見てしていない場合、デザイン上どんなに素晴らしくてもコーポレートから別の色にする必要があるのです。
ウェブサイトで一般的に利用されていPDFデータですが、ウェブアクセシビリティの基準に照らし合わせるとNGです。PDFデータで見せていた内容はHTML化する必要があるのです。
ただし、PDFの利用は例外事項として目標の対象外とすることで基準をクリアすることができます。
例えば本社までの地図画像を掲載したとします。
通常のサイトなら、「地図」や「本社までの地図」のように記載しますが、これでは読み上げソフトでブラウジングした場合には具体的な内容がaltテキストから伝わりません。
そのため具体的なアクセス方法などをaltに記述する必要があります。
下記の例は内閣府の地図のaltテキストです。かなり具体的に書かれていることが分かります。
内閣府庁舎・中央合同庁舎第8号館と、その他庁舎の地図。内閣府庁舎・中央合同庁舎第8号館の住所は東京都千代田区永田町1-6-1です。最寄り駅は東京メトロ千代田線霞が関駅4番出口より徒歩2分です。4番出口を出たら左手へ進み、すぐの交差点(首相官邸前交差点)で左折。15mほど進むと左手に受付門がございます。それ以外の庁舎住所・連絡先は以下の文章をご参照ください。
最近ではサイトに動画を利用していところも増えていますが、これは視覚に障がいのある方ではなく、聴覚に障がいのある方に対しての配慮として動画には字幕を付ける必要があります。
ここまではサイトを立ち上げるまでの話ですが、公開後には更新作業やページの追加などが発生すると思います。そのため、最低でも年に一度はガイドラインに沿って更新されていたか、チェックを行うことが必要になります。
いかがでしたでしょう。
ウェブアクセシビリティの基本的なことが分かりましたか?
気になった方は、ぜひ一度弊社にお問い合わせください。