無料で使えるアクセスツール、Google Analytics(アナリティクス) 。
アクセス解析を本業にしている方にとっては当たり前な内容かもしれませんが、ボクにとって混同しがちな用語の意味と数値を中心に改めて整理してみました。
※本ブログは、2018年10月5日時点の内容をもとに作成しています。
サイトの閲覧開始から閲覧終了までの一連の行動が「セッション」です。
ただ、離脱(閲覧終了)するタイミングは、ユーザーによってまちまちになるので、
などは、Google Analyticsでは閲覧終了した(別のセッション)とみなされ、セッション数は"2"とカウントされます。
※上記のタイムアウト処理については、「プロパティ」>「トラッキング情報」>「タイムアウト設定」から変更可能です。
例えば、セッション終了とみなされる、30分間は、最小: 1 分、 最大: 4 時間の間で変更可能です。
単純に1人の「ユーザー」ということで解釈されがちですが、 正確には、どれだけ「ユニークなブラウザ」からアクセスがあったかを示す指標となります。
つまり、
などは、ユーザー数は"2"としてカウントされます。(デフォルト状態。User-ID を使用したクロスデバイストラッキング機能を実装していない場合)
※2018年7月に「Google signals」(ベータ版)の機能がリリースされました。Google Signals をオンにすると、共通のGoogleアカウントでログインされている場合、クロスブラウザトラッキングが可能になった(異なる端末・ブラウザでアクセスしても1ユーザーとしてカウント)ようなので、折をみてまたレポートしたいと思います。
ページが表示された回数(数値)のことを「ページビュー(PV)数」といいます。
page1.html
page2.html
page3.html ←このページで離脱
という場合、ページビューは"3"となります。
これは、そのままの意味ですが、念のため。
1セッションで1ページビューしかないセッションを「直帰」と言い、直帰数を全セッションで割っものを「直帰率」といいます。
離脱率と混同されがちですが、「直帰率」の指標は、セッション単位であることです。
例えば、page1.htmlを広告から誘導させるランディングページとして設定していて、以下のアクセスがあった場合、
セッション1:page1.html→ page2.html→page3.html
セッション2:page1.html→ page2.html
セッション3:page1.html
セッション4:page1.html→ page3.html
page1.htmlの直帰率は、"25%"となります。
また、サイトに以下のアクセスがある場合、
セッション1:page1.html→ page2.html→page3.html
セッション2:page2.html
セッション3:page1.html
セッション4:page3.html→ page2.html
サイト全体の直帰率は、"50%"となります。
サイトの閲覧を終了すること「離脱」と言い、ページの離脱数をそのページの総ページビュー数で割ったものを「離脱率」といいます。
直帰率と混同されがちですが、「離脱率」の指標は、ページ単位であることです。
例えば、以下のアクセスがあった場合は、
セッション1:page1.html→ page2.html→ page3.html
セッション2:page3.html→ page1.html→ page3.html
セッション3:page2.html→ page1.html→ page3.html
セッション4:page1.html→ page3.html→ page1.html
page1.htmlの離脱率は、"25%"ではなく、"20%"、
page2.htmlの離脱率は、"0%"、
page3.htmlの離脱率は、"75%"ではなく、"60%"、となります。
会員登録や商品購入など、特定の目標に達成することを「コンバージョン」と言いますが、Google Analyticsでは、コンバージョン数はセッションごとにカウントされていて、コンバージョンに至ったセッションを全セッションで割ったものが「コンバージョン率」として表示されます。
「コンバージョン率」については、ユーザー単位ではなく、セッション単位で算出されているため、購入をコンバージョンとしている場合、
ユーザーAのセッション:検索→商品詳細→購入→検索→商品詳細→購入
ユーザーBのセッション:検索→商品詳細→購入
ユーザーCのセッション:検索→商品詳細
ユーザーDのセッション:検索
の場合のコンバージョン数は、3ではなく"2"、
コンバージョン率は、75%ではなく"50%"となります。
過去2年間に訪問がないセッションは、「新規ユーザー(New Visitor)」としてカウントされます。
2年以内に訪問があるセッションは、「リピーター(Returning Visitor)」としてカウントされます。
例えば、
10/31:ユーザーAが初訪問
11/1:ユーザーAが2回目の訪問、ユーザーBが初訪問
11/15:ユーザーBが2回目の訪問
のアクセス状況で、11月1日〜11月30日を集計対象期間とする場合、
New Visitor"2"、Returning Visitor"0"ではなく、
New Visitor"1"、Returning Visitor"1"でもなく、
New Visitor"1"、Returning Visitor"2"
としてカウントされることになります。
つまり、
という点が、混同しがちなポイントです。
なので、 New VisitorとReturning Visitor をたしても、Analyticsで表示されているユーザー数とはイコールにはならないということですね。
閲覧を開始したページを表示した時刻から、閲覧を終了したページを表示した時刻までの長さを「セッション時間」と言い、
セッション時間を、全セッションで割ったものを「平均セッション時間」と言います。
つまり、閲覧を開始した時刻が
page1.html:9:00
page2.html:9:03
page3.html:9:05 ←このページで離脱
の場合、「セッション時間」は"5分"となります。
page3.html に、9:15まで10分滞在した場合でも、ページを離脱した時刻はとれないため、「セッション時間」は5分となります。
「平均セッション時間」を算出する場合、全セッションには、セッションが0秒(直帰)というセッションを含めた上で「平均セッション時間」が算出されるため、
例えば、
ユーザーAのセッション時間:4分
ユーザーBのセッション時間:8分
ユーザーCのセッション時間:0分(直帰)
の場合は、「平均セッション時間」は6分ではなく、"4分"となります。
「平均セッション時間」には直帰セッションも含まれた上で算出されることから、「平均セッション時間」は、実際よりもかなり短く算出されるケースが多いようです。
ページを表示した時刻から、次のページを表示した時刻までの長さを平均したものです。
例えば、
page1.html:9:00
page2.html:9:05
page3.html:9:20 ←このページで離脱
の場合、page3.htmlに20分滞在して離脱した場合でも、ページを離脱した時刻はとれないため、「平均ページ滞在時間」は"10分"となります。
どういう単語の意味で、どういう根拠をもとに算出しているかを把握することで、分析もスムーズにいくようになるはずです。
が、厳密な値ではなく、あくまで参考レベルであるという温度感で捉えるくらいにとどめておいたほうが、気苦労もなく、良いかもしれません。
次回は、もうちょっと踏み込んだところについて整理してみたいと思ってます。