皆様、「ウェブ解析士」という資格をご存知ですか。
私は以前、新聞社に籍を置いていたことがあったのですが、そこで資格取得が必須となっておりましたので、ウェブ業界の資格の中で唯一「ウェブ解析士」だけは持っています。
今回は、その「ウェブ解析士」の資格について簡単に紹介するとともに、ウェブ解析士にとってとても重要なKPI・KGIの概念について解説していこうと思います。
ウェブ解析士とは、一般財団法人ウェブ解析士協会が認定している資格です。
ウェブ解析士になるために何を学ぶのか。それを一言で表現するならば、ウェブマーケティングについてです。
ウエブ解析士は事業成果をあげるため、ウェブサイトから得られる数値を元にユーザーの声を聞き、仮説検証→原因分析→対策立案を繰り返し、事業成果を上げていく役割を担っています。
ウェブ業界にいれば、資格は簡単に取れるかというと、そんなことはありません。
認定試験にはテキストを持ち込むことが可能ではありますが、60分で60問を解く必要があるため、調べながら回答をしていると確実に時間が足りません。
300ページある公式テキストの内容をある程度は暗記しておく必要があるため、試験勉強にもそれなりに時間が必要です。
尚、現在の合格率は公式サイトによると6〜7割となっているとのことです。
現在、ウェブ解析士の資格は3段階に分かれており、下から「ウェブ解析士」「上級ウェブ解析士」「ウェブ解析士マスター」となっています。
「ウェブマーケティング、ウェブ解析に関する基礎知識を習得」と公式サイトでも書かれているように、「ウェブ解析士」の段階では、実践において何不自由ないスキルが身に付く、とは残念ながら言い難いです。
しかし解析資料作成の際などに、ただ言語を知っているだけで大きく違うな、と思う場面に多々出くわすことも事実です。
臆することなくクライアントに提案し施策を打ち出していきたいとお考えの方はぜひ、「上級ウェブ解析士」、「ウェブ解析士マスター」を目指して勉強に励んでいただければと思います。
ウェブ解析士であれは、必ず押さえておかなければならないウェブマーケティングの言葉に、KPI・KGIがあります。
ここからは、その概要について説明するとともに、モデル別KPIの設定方法も例示してみようと思います。
KPIとはKey Performance Indicatorsの略で、 日本語に訳すと「重要業績評価指標」という意味となります。
目標を達成するために必要なプロセスの到達度合いを計測するための定量的な指標のことで、「中間目標」として非常に有効です。
例えば、売上の目標達成によく使われるKPIには、「受注件数」があります。受注件数が達成できれば、売上のアップは自然とついてくるものだからです。
KGIとは、Key Goal Indicatorの略で、 日本語に訳すと「経営目標達成指標」という意味となります。
KPIとKGIの大きな違いはKPIが「中間目標」であるのに対し、KGIは「最終目標」であるという点です。
分かりやすく、「この指標が達成できたら、事業の成果が得られた」と納得できることが重要で、売上高・利益率・成約件数などで定められることが多くあります。
それでは、モデル別KPIの設定方法も見ていきましょう。
イーコマースサイトモデルとは、商品やサービスをインターネット上で売買するビジネスモデルのことです。
Eコマースを短縮して「EC」と表記することもあります。
→新規購入とリピート購入は、施策内容、コストが異なるため、分けて設定します。
→直近の購買日・購買頻度・購買金額から指標化します。
→どのような商品がよく見られているかを分析するために用います。
→商品を購買する意欲を持たれたか、なぜカートに入れてから購入に至らなかったかなどを分析します。
→電話・FAX、郵送などオフラインでの購入
→広告を展開している場合は、これらの指標を商品ごとに調べます。
広告が関心を持たれているか(CPC)、広告は購買につながっているか(CPA)、広告費に対して十分売上をあげられているか(ROAS)
→キャンセル要因・返品要因を調査します。
リードジェネレーションサイトモデルとは、見込み客を獲得するモデルのことです。
Webサイトのコンバージョンは、お問い合わせや資料請求などになります。
→Webサイトのコンバージョン(お問い合わせ)があっても、受注へと結びつかなければKGI達成にならないため、商談率、受注率を調べて成果につながっているかを測定します。
→電話・FAX・郵送など、オフラインでの問い合わせのうち、どの方法が成果につながっているのかを測定します。
→広告のクリック率やコンバージョン率のコスト等を算出して、受注率と比べ、広告の費用対効果を測定します。
→見込み客が関心を持ちそうな情報やサービスを提供し、見込み客リストを獲得するために行った施策の結果を測定します。
→売上の大きさ(獲得した問い合わせの質)を測り、対応すべき優先順位を定めます。
メディアサイトモデルとは、ニュース記事やまとめ記事などのポータルサイト、企業が運営するWebマガジンやブログなどのオウンドメディアが該当します。
広告収入や、認知度の向上、購読者数の拡大、定期的な閲覧数などが目標となります。
→閲覧されたページ数、ユーザーが訪問した回数、訪問したユーザーの数を計測します。
→ユーザーがサイトに滞在した平均セッション時間と、1回の訪問で見られたページ数、1人のユーザーが訪問した回数を計測します。
→1ページのみの閲覧で直帰した数や、それぞれのページで離脱した数を、全体数の割合にして計測します。
→狙ったキーワードで表示される順位などを計測します。
→SNSからの流入やシェア数、ユーザーのコメント数、ネガティブなコメント、ポジティブなコメントなどを計測します。
→メール配信数、購読数、解約数などを計測します。
→広告を行った際に、どれだけ多くのユーザーに見られたか、どれだけ多くのユーザーがサイトに訪問したか、その割合を計測します。
→広告の表示によってサイトに訪問したユーザーの1回あたりのコスト、インプレッション1,000回あたりのコストを計測します。
目標の達成度合いをモニタリングするのに、いかに手間がかからない仕組みづくりができるかを考え、KPIを設定していくことが重要となってくるんですね!
さて、上記に挙げたイーコマースサイトモデル、リードジェネレーションサイトモデル、メディアサイトモデルの3モデルは、MONSTER DIVEが得意としているモデルでもあります。
サイト運用にお困りの際は、ぜひご相談をお待ちしております。