LIVE事業部のアシスタントをしております、AKIと申します。
現場では主に配信管理を行っていて、今回はその業務の中から、ライブ配信に関わるビットレートについて簡単ではありますが書かせていただきます。
ビットレートの単位はビット毎秒「bits/秒」、bps=bit per secondの略称「bps」で表され、1秒間にどれだけのデータを伝送するかというものになります。
これらは1秒間に伝送するデータ量のことを差し、数値が高ければ高いほどデータ伝送量は多くなります。
ビットレートは2種類あります。
映像ビットレートは配信のクオリティ・画質に直結し、基本的に値が高ければ画質はよくなり、値が低ければ画質は悪くなります。
音声ビットレートは音質に影響し、値が高ければ高音質に、低ければ音質も悪くなっていきます。
ビットレートを高く設定できることがもちろん望ましいですが、ビットレートはインターネット回線の速度(上り)やPC本体のスペックにも影響されるので、高ければ高いほど良いというわけではありません。
また解像度も関係してくるため、解像度毎の推奨値以上に高く設定しても意味がない場合があります。
配信プラットフォームによっては推奨設定が定められていることがあります。
以下、YouTube、Vimeoの公式ヘルプを例に見てみます。
この様に、配信プラットフォーム毎に、推奨値が表記されていたり、注意点が記載されていたりします。
2000kbpsは720pストリームを生成できますが、5000kbpsは1080pストリームに推奨される最大ビットレートです。 2000kbpsを大幅に下回るビットレートでストリーミングしている場合、ストリームがピクセル化されたり、遅延が発生したりする場合があります。
ネットワークの強度に関係なく、常にローカルで配信を録画するようにしてください。多くのソフトウェアエンコーダがこの機能に対応していますが、カメラに直接録画することも可能です。
Vimeo「ストリーミングの推奨ネットワーク構成 - ヘルプセンター」
今回はVimeoで少しだけ検証してみましたので、見比べてみます。
解像度はフルHD1920×1080で、異なるビットレートで送出した内容になります。
Vimeo推奨の最大値になります。
テキストの輪郭がはっきりとしていて、映像がきれいなことがわかります。
常にこのクオリティで配信し続けられることが望ましいです。
テキストの輪郭がぼやけていて、画質としてはかなり低くなっています。
また、Vimeoのヘルプに記載されているように2000kbpsを下回っているため、ストリームのピクセル化も見られています。
1000kbpsでは伝送データ量が少なく、フルHDのキャンパスサイズでは綺麗に表示できなく、動きが少なければなんとか見られるかもしれませんが、動きのある映像になってくるとさらにノイズが目立ってきます。
もし、1000kbpsでしか送出できない場合は、フルHDではなく解像度を下げることで画質の粗を少なくできるかもしれません。
ビットレート制御方式というものがあり、いくつかあるのですがその中から2つ説明します。
配信ソフトによっては記載の方法は違うかもしれませんが、この項目があると思います。
固定ビットレートはビットレートを設定した数値に保ち続けるようにする設定です。
ビットレートを一定に保つことで配信は安定しますが、そもそものビットレートの設定値に映像品質が左右されます。
ビットレートが常に可変し続ける設定になります。動きの激しいシーンでは高いビットレート、動きの少ないシーンでは低いビットレートとなるため、高い品質で配信できますが、想像以上にネットワーク帯域を圧迫したり伝送データ量が大きくなる可能性があります。
CBR/VBRはそれぞれに長所短所がありますので、配信環境に合わせた設定が必要になってくると思います。
最近では社会的な影響もあり、BtoB, BtoC, CtoCと、配信というものが企業レベルから個人レベルまでと大変幅広いものになりました。
配信のプラットフォームもたくさんあり、各プラットフォームによってビットレートの推奨設定も異なります。
今回はビットレートの視点をメインに進めてきましたが、高品質な配信を行うにはビットレートだけでなく、たくさんの要素が重なり合って初めて完成します。(ネットワーク、エンコーダー用のPC、ソフトウェア、etc...)
配信の設定はもちろん重要なことではありますが、高いクオリティで配信するためには、そのための環境を整えるという事前の準備が大切だということを常に体感しています。この意識を常に忘れず、引き続き努めていきたいと思います。