今は昔、ソーシャルゲームエヴァンジェリストといっても過言ではなかった僕が、独断と偏見でソーシャルゲームの動向をまとめてみたよ!
というわけで今回が初めてのコラムですが、ググった内容をまとめるだけでは、わざわざ記事を起こす意味がないので、僕自身がプレイしたゲームを中心に記していきます!
出会い:ソーシャルゲーム第一世代
国内で最初のヒットとなるのは「釣り★スタ」らしいですが、友達に頼まれてGREEに登録しただけの僕は「釣り★スタ」がヒットする前にGREEから遠ざかってました。ちなみに2007年のお話です。
そこからしばらくは携帯小説にハマり、行き着いたのがMobage。小説を読むためちょくちょくログインしていたのですが、2009年に大ヒットとなった「怪盗ロワイヤル」との出会いが僕のソーシャルゲーム人生?の始まりでした。
当時はフィーチャーフォン全盛期で、ソリティアや簡単なアクションゲームなどの一人で遊ぶものが主流の中、アプリのインストールもダウンロードも無い手軽さと、仲間と連携して進めるといった体験をケータイで楽しめることは大きな衝撃だったと記憶しています。
その後、友達に誘われ再度GREEに舞台を移し、「モンプラ(モンスタープラネット)」に勤しむ日々が続きました。
僕の中では、この辺りがソーシャルゲームの第一世代です。
何故ここで区切ったかというと、上に挙げたゲームは一応課金しなくても遊べることは遊べるのですが、ある程度進む頃にははっきり言って課金しないと進められない"手詰まり感"がありました。まぁ気が遠くなるような時間を費やせば別ですが...。
どう手詰まりかと言いますと、無課金で入手できるアイテムではボスが倒せなかったり、課金して入手したアイテムに使用回数制限があったり、個人的には"消耗品を売る"といったモデルだったと認識しています。
熱狂:ソーシャルゲーム第二世代
さて、「モンプラ」にも限界を感じてきた頃、GREEでは様々なアプリが台頭して参りました。
その中でも注目すべきは、カード系ソーシャルゲームを語る上では欠かせない存在となったモンスターコンテンツ、「ドラコレ(ドラゴンコレクション)」の登場です。ちなみにリリースは2010年です。
制作者も語っていますが、"ほぼすべての機能が無料で使用可能"という設計の下、多くのユーザー獲得に成功しています。
また、友達招待の特典として限定カードがプレゼントされますが、これもユーザー獲得に大きく貢献したのではないかと思います。
限定カード欲しさにGREEでの友達登録を増やして、「ドラコレ」に招待しているユーザーも多く見られました。
そして招待によって獲得したユーザーの囲い込みに一役買ったのが"無料ポイントで引けるガチャ"です。
ゲーム内の仲間との会話などで無料ポイントが貯まる仕組みで、この無料ポイントを貯めるために命(睡眠時間)を削った人も多かったのではないでしょうか。
「ドラコレ」が優秀な点は、当初、有料ガチャ・無料ガチャともにカードの出現内容に差が無かったことです。
当然、カードごとの出現率などは異なりますが、頑張って無料ポイントを貯めてガチャをたくさん引けば、課金ユーザーと同等のカードを入手できる"かも"といった点も、課金する気の無いユーザーでも楽しめる要素でした。
これにプレゼントやトレード機能が加わることで、課金せずとも効率的に資産を増やすことができ、さらにはコミュニティの発達にも繋がってきます。
また、上に挙げた点も秀逸なのですが、「ドラコレ」が本当に凄かった点は業界関係者であれば誰もが口を揃えて言う「運営力」です。
もう少し突っ込んだ表現をするのであれば、KPIで上げたい数値を的確に上げる企画力と開発力ですね。
この辺りを意識してプレイしていましたが、新しい施策が実施される度に寒気がしたくらいです。
この後も、スポーツ系・萌え系・IPモノなどカード系ソーシャルゲームが続々と登場しますが、ガチャモデルとでも申しましょうか、ソーシャルゲーム第二世代がしばらく続きます。
安定:ソーシャルゲーム第三世代
第三世代といえば...、勘のいい方はお気づきかと思いますが、当初ケータイ課金の主軸であったフィーチャーフォンを切り捨て、スマートフォンのタッチインターフェースを120%活かした「パズドラ(パズル&ドラゴンズ)」が2012年にリリースされました。
これまでのカード系ソーシャルゲームは、入手したカードでデッキを構築した後は、ひたすらボタンクリック(タップ)するといった静的なゲームだったのに対し、連鎖を駆使しないと敵が倒せないといったプレイヤースキル(巷で言われているパズル力ってやつですね)が必要な動的なゲームとなります。
実際には参考にしたゲームがあるようですが、カード系ソーシャルゲームがやや飽和状態にあった中で、同じガチャモデルでも、かなり新しい切り口だと感じました。
この後は「パズドラ」に続けと言わんばかりにスマートフォン専用アプリがリリースされていきますが、フィーチャーフォンでは実現できなかったグラフィックのリッチ化が目立ってきます。
個人的にこの時期のゲームのリッチ化に対しては、コンシューマー機のゲーム離れと同じ道を辿っているように感じ、業界全体の将来を勝手に危惧していました。
『せっかくスマートフォンという新しいプラットフォームが浸透して、「パズドラ」が良いお手本を見せてくれたのに、いま力を入れるべきはグラフィック表現じゃないでしょ? ファミコン初期のように新しいアイデアを考えようよ!』と、ガチで思ってました。
※リッチ化が悪いと言っているわけではありません。
ですが、最近では「ラブライブ!」などの音ゲーや「LINE ポコパン」などのグラフィックに凝らないゲームも人気を博しているようで、少し安心しています。
"音ゲーなんて新しくないじゃん"と思われるかもしれませんが、インターフェースが変わるだけでもユーザーにとっては新しい体験になるのではないかと思ってます。
ちなみにスマートフォン専用アプリが主流となった頃から、ゲーム内容を優先するために、ソーシャル要素が削られていっているのも大きな特徴です。 企業にとって流行に乗って売上を上げることも大事ですが、面白さを追求するといった姿勢がきちんと伝われば、自然とユーザーも増えていくんです、きっと。
まとめ
現在に至るまでには、上に挙げた以外にも、RMT問題やコンプガチャ問題など企画部分にも関わる大きくトピックもありましたが、大まかに下記の流れで業界は成長してきました。
第一世代:ブラウザアプリ「消耗品売り切りモデル」(2007年~2010年)
↓
第二世代:ブラウザアプリ「ガチャモデル」(2010年~2012年)
↓
第三世代:ネイティブアプリ「ガチャモデル」(2012年~)
こうして見ると、お金を払って消耗してしまうものよりも、財産として残るガチャモデルの方が支持を得ているようにも見えます。
そして、グラフィックよりも、操作感やゲーム内容が重視されているようにも感じます。
それでもユーザーは"飽きる生き物"なので、制作者は次々に新しいゲームをリリースしなければならないし、差別化を図るためにリッチ化も必要になってくるかと思いますが、ソーシャルゲームバブルが落ち着いた今こそ、健全なアイデア勝負が必要だと考えています。制作者の皆さま、頑張ってください!