はじめまして、映像・スタジオ事業部で主に音声技術を担当しています!
皆さん、iPhoneって何に使っていますか?
僕は主にネット配信の現場で音の調整に使っています。
今回はオーディオ好きの人も使える、RTAという種類のアプリを紹介します!
RTA(リアルタイム・スペクトラム・アナライザー)とは、入力された信号を分析して、横軸を周波数・縦軸を大きさとしたグラフをリアルタイムで表示するツールです。
簡単に言えば『音を見える化』するもので、マイクで拾った音のどの音域がどれだけ音量が大きいのかが分かるツールです。
従来は基本的に業務用で、n十万円〜n百万円するような高価な機材でしたが、最近ではソフトウェアベースの物はフリーソフトも出てきています。
そしてiPhoneアプリにも数多く登場していて、中でもオススメは『RTA Audio』です。
Free版もありますが、細かい周波数までは見ることが出来ません。
ネット配信の現場は必ずしも完全防音のスタジオばかりではないので、無指向性のピンマイクを複数使用していると、結構、環境ノイズが入ってきてしまいます。
特に配信機材のファンの音、エアコン・換気扇の音、自動販売機の音などは、特定の周波数で継続的に音が鳴っているので耳障りです。
そんな時はiPhoneをノイズの原因があるところに持って行って、周波数を測り、イコライザーで調整をしてあげます。
写真のような場合だと400Hz付近の音をイコライザーで削ってあげます。
マイクで拾った音をスピーカーで拡声する際、スピーカーの音をまたマイクで拾ってループしてしまう現象をハウリングと言いますが、多くの場合、原因はその場所で特定の音域が響きやすいことにあります。
そんな時はiPhoneをマイクの位置に持って行って、周波数を測り、イコライザーで調整をしてあげます。
この場合は2.5kHz付近の音をイコライザーで下げてあげましょう。
マイクで拾われた音はミキサーやアンプを通ってスピーカーから出力されますが、その過程で特定の音域が増幅されたり減衰したりして、モコモコシャリシャリした音になってしまうことがあります。
そんな時はiPhoneをスピーカーの前に持って行って、基準となる音(※)を測り、イコライザーで調整をしてあげます。
※ピンクノイズやホワイトノイズと呼ばれる、周波数ごとの音量が一貫しているものを出力しておきます
この場合は、本来なら平坦なグラフになるはずのホワイトノイズを出力しているので、飛び出している1.6kHzを削り、落ち込んでいる4kHzを足してあげます。
このRTAとiPhoneの手軽さで、いつでもどこでも"音を見る"ことが出来て、とても重宝しています。
ただし、測定にiPhoneの内臓マイクを使っているので、必ずしも正確に見えているわけではありません。
高価な業務用機器には及びませんが、使い方その3に書いた方法は自宅のスピーカーの調整にも使えますので、みなさんも一度試してみてはいかがでしょうか?