遂に「Movable Type 6」が正式にリリースされましたね。
詳しい変更点は公式サイトで案内されていますが、やはりなんといっても"Data API"の存在が大きいのではないでしょうか。
では、そのData APIがどんなものかと言いますと、ひとことで言えば、「MTの管理画面を使わなくても、コンテンツを管理する仕組みが作れる!」といったものです。が、これだけでは、さすがに誤解を招きそうなので、Data APIを使ってどんなことができるのか、ディレクターという立場から、これまで求められることが多かったソリューションを例に説明します。
クライアントからWebサイトの制作依頼を受けて、無事に納品が済んだとします。保守委託は無く、運用はクライアントのご担当者様自身が行う、というケースです。
しばらく経ってから、「そういえばちゃんと運用できているのかな~」と、そのサイトにアクセスしてみると...まったく更新されてない。。。orz
MONSTER DIVEでは保守まで委託いただくケースが多いので、あまりそういった事例は多くありませんが、プロジェクトによっては「まぁブログを更新する感覚だから大丈夫」と、特に運用体制のフォローアップを行われていないサイトが見受けられます。これではCMSを導入した価値が半減、いや、激減してしまいますよね...。
他にも「実際使ってみたらイマイチ更新方法が分からない」といった、お問い合わせを受けることも少なくありません。
せっかく柔軟にコンテンツを管理するためにCMSを導入したのに、これは寂しいことです。
これらの原因の大半は、管理画面の複雑さが起因していると、個人的には考えています。
多くのCMSパッケージソフトの管理画面は、あらゆるニーズに応える為に、制作に必要な機能と運用に必要な機能が一緒くたに備えられています。
ですが、それは誰にとっても使いやすい管理画面なのでしょうか?
運用サイドとしては、以下の様に更新機能があれば良いと思います。
また、制作サイドとしては、それを実現するための以下の様なカスタマイズ機能があれば良いと思います。
MTは多機能です。いわゆるニュース記事の管理だけでなく、Webサイト全体まで一元管理できるシステムです。
これまでMTの開発の歴史を紐解いてみると、事実、"ブログツール"から"WebサイトのためのCMS"へと機能が進化してきました。
しかしながら、サイト全体をMTで構築・管理したとしても、実際に運用担当者が日々更新するのは特定のコンテンツだけ、というケースが多く、その多機能性ゆえに"管理画面の見た目の複雑さがデメリット"という声も聞かれました。
Data APIのQuick Referenceを参照して、サイトのニュース記事管理をイメージしてみましょう。
※基本的なサイト構築は済んでいるものとします。
新規記事作成:Entries:insert
記事一覧取得:Entries:list
記事更新:Entries:update
実際にはログイン認証などの他の処理が必要ですが、これらのシンプルな指示を組み込んだプログラムを作成するだけで、ニュース記事専用の管理画面が出来てしまいます。
しかも、Perlで作られたMTコア部分に手を入れることなく、HTML5/CSS3/JavaScriptベースで、コンテンツを出し入れする管理画面を「MTの外に」(mt.cgi以外で)作ることができます。
つまり、プログラマじゃなくても開発に参加できるのです。デザイナー/マークアップエンジニアが、見た目のデザイン優先で、必要な項目だけを用意したシンプルな管理画面が提供できる。しかも、従来よりもカスタマイズにかかる開発工数・期間を効率的にクライアントニーズを満たす解決策を提供できる。これはディレクターにとって何よりもメリットだと思います。
より自由な発想で、実際にコンテンツを操作される方に合ったソリューションを企画できる! ディレクターの視点で言えば、Data APIの特徴はココに尽きると思います。