みなさんこんにちは。
前回のエントリーに引き続き、『RTA Audio』を使って身近な音を見える化してみます。
MONSTER DIVEは自社スタジオを所有していますが、近頃はイベントや公演の配信のご依頼も頂き、現場に出ていくことが多くなっています。
現場へは頼もしい味方"機材車"に山盛りの荷物を詰め込んで行くのですが、時には長い道のりを行かなければなりません(10月には1,000km以上を走破して九州上陸しました)。そんな長旅となる運転中くらい"良い音"で音楽を聞きたい! ということで今回はカーオーディオを見える化・調整してしまいます。
一口に良い音と言っても、人によって感じ方は様々です。
などなど...。
また、一方で"良い楽器"や"良い声"となると、
などなど...。
色んな意見があってワケが分かりませんね。
これらの要素は確かに良い音の条件かもしれませんが、数ある音楽表現の一部でしかありません。
逆にこれらの表現をそのままアウトプットできるオーディオが良いオーディオと言えるかもしれません。
では実際に調整をしていきます。
調整に必要な物は以下のとおりです。
手順は簡単。
ホワイトノイズは、広い範囲の周波数帯で音量が同程度のノイズなので、RTAの波形が平坦になれば、オーディオが過不足なく音源を再生できている状態になります。
調整前は低音の迫力と高音の抜けを求たような設定になっていました。
この状態でRTAで測ってみると
確かに低音が強調されています。
一見良さそうですが、実際の聴感では低音が膨れ気味でモワモワ、という感じでした。
調整後はちょっと心配になるようなイコライザーの形ですが、この状態でRTAで測ってみると、
大体平坦な波形になっています。
12k以上から急激に落ち込むのはスピーカーの再生限界のようです。
実際の聴感では低音の膨れもなく、音がクリアーに聞こえました。
ただ、クリアーに聞こえすぎるため、FMラジオの電波ノイズが気になる人もいるかもしれません。
このようにグラフィックイコライザーの画面を見ただけでは絶対に行わないような調整にも、RTAで音を見える化することによって辿り着くことが出来ます。
実際の音響の現場でも、同様の手順を行っているところが少なくありません(もちろん機材は違いますが)。
余談ですが、音響家協会主催の
「音響家の耳で調整したスピーカー vs RTAで調整したスピーカー聴き比べ」
という非常に恐ろしいイベントに参加したことがありました。
結果は圧倒的にRTA優勢に終わり、当時音響家を志していた僕は愕然として帰ったのを覚えています。w
その経験があって音響だけでない色々な分野を学ぶようになったので結果オーライだったのですが、どれだけ技術が発達しても取って替えられないような仕事を志したいものですね。