つい先日、東京都の小池知事から2030年に乗用車の非ガソリン化を100%達成、二輪車も2035年までに同様に達成を目指すとの発表があり、自動車メーカーと二輪車メーカーに衝撃が走りました。
10年以内にそんなことが可能なのか、ましてや二輪車はハイブリッドもまだ世に出ていない、日本は電動化では後進国。ところがボクが以前に赴任していた台湾では、8年前からスクーターの電動化がはじまっていて、既に20%を越える勢いでシェアを伸ばしています。
台湾は人口2,300万人に対しスクーター保有が1,400万台という世界一の2輪大国。その台湾で電動化の主役はスタートアップ企業のGogoroで電動スクーター専業です。
その強みは電動化によるクリーンさはもちろん、利便性でランニングコストで従来のガソリン車を上回るメリットの大きさでしょう。Gogoroには二つのバッテリーがシート下に搭載されていて、この充電はガソリンスタンドはもとより、コンビニの店頭にも設置されているステーションで充電済みと差し替えるだけ。ガソリン車のように給油の時間もかからない上に、スマホなどと同じ使う量に応じた課金はステーションでの支払いもありません。
しかも航続距離が100~170kmと、日本がいま試験運行している電動スクーターの5倍強で、従来のガソリン給油スクーターよりも長く走れる上に、山の中のコンビニにもステーションがあるため利便性で比較にならないのです。
そして性能では台湾で最もポピュラーな125ccクラスよりひとクラス上で、電動モーターを超小型化して消費を抑え、水冷化することで加速時の発熱に対応、他の電動スクーターと航続距離で大差をつけています。 ご覧のようにデザインも斬新、エントリーもスマホでいまのライフスタイルの感覚そのままの操作性。ラインナップもデビュー時から定評の1シリーズから普及版の3シリーズ、そして廉価版のVivaシリーズと拡張を続けています。
そんなGogoro、実は日本でも石垣島で乗ることができます。島内の限られたエリアでの使用となるため、ステーションでバッテリー交換する台湾と同じインフラが整備されているのです。
果たして日本の電動化は急ピッチで進められるのでしょうか? 台湾に工場を持つヤマハは、電動スクーターのみGogoroに生産を委託していますが、世界ではメーカー同士でバッテリーの共有化する動きもあって、数年で大きく変わっていくのは間違いありません。